あなたの強みは何ですか?
この問いに自信もって即答できますか?
かつて毎月お給料やパート代をもらっていた頃は、自分の強みのことを真剣に考えたことなんてないのではないでしょうか。
しかしながら、起業家にとって「自分の強みは何か」という問いへ答えは大きなテーマとなります。
起業する時はもちろん、起業した後も突き付けられるこの問い。
私自身も、しばらく悩みました。「私なんかに、強みなんてあるのか…?これといってスゴイ経験なんてないし…」ってね。
悩んで、考えて、悩んで、考えて…を繰り返し、今は、即答できるようになりました。
・人よりも言葉や文章への感度が高く、文章が上手い
・セールスコピーが書ける
・アイデアが泉のようにこんこんと湧き出る
・簿記、FP、証券事務などお金に関する知識があるためお金系のライティングが得意
・デザイン事務所でのライター経験があるためデザインやレイアウトの監修もできる
・1100枚の名刺を見てきたので訴求力の高い名刺を企画できる
などなど、ハッキリと言うことができます。
もっとたくさんありますよ。(笑)
自分の強みがわかると、どの強みをビジネスに活かすかを考えるステップに進めます。
ビジネスの方向性が決まると同時に、コンテンツやサービスも具体的に見えてきますよね。
でも、自分のことって自分が一番わからないもの。
「自分の強みがわからないんです」とおっしゃる女性起業家さんはとても多いですね。きっとみなさん、本を読んだり、メンターやコンサルタントに相談したりしていることと思います。それでもなお、迷っている方がたくさんいる…。
今回ご紹介するやり方は、私がやってきたことです。
画期的な方法というわけではありませんので、もう散々やったよ!という方よりも、これから真剣に考えるという方に向いている方法かもしれません。
一般論に私なりの考えを加えてご紹介していますので、参考にしてくださいね。
強みの種を探す方法 その1
過去をひたすら書き出す
強みは過去にしかありません。
だから、まずはひたすら自分の過去と向き合いましょう。過去とは、物心ついた頃から今日までのことです。
過去の洗い出しは、強みを見つける系の本にもたくさんの方が書いていますよね。私もやりました。内心「これって強みに繋がってるん??」と思いながらも、半信半疑でとりあえず文字にしました。
仕事はもちろん、趣味も、辛く悲しい経験も、できれば封印したい格好悪い経験も、感動した経験も、すべてが強みの種です。
書き出す時は、時系列に沿うといいでしょう。
10歳まで→思春期→大学生→就職→転職→結婚→出産→起業→今まで、という感じで、経験してきたことを思いつくまま書いてみてください。
その時、こんなことを自問自答しながら書くといいですよ。
・子どもの頃、得意だったことは?
・子どもの頃、何をしている時が一番楽しかった?
・中学、高校で得意だった科目は?
・がんばらなくても人より上手くできたことは?
・人から「すごいね」と褒められることは?
・自分なりに努力したことは?
・具体的にどんな業務をしたかな?
・表彰してもらったことはあったかな?
・悲しい経験だったけど、どうやって乗り越えた?
・つらい体験だったけど、今思えば人生のターニングポイントだったかな?
あらためて自分の歴史を振り返る作業です。
私もこの作業で、小学生のとき読書感想文コンクールで入賞ばかりしていたことや、高校3年の時に小論文模試で全国7位か8位(記憶が定かではありませんが)になったことを思い出しました。
自分ではすっかり忘れ去っていたことです。思い出して初めて、「ああ、自分って文章まあまあ才能あるんだ」と思えました。
それを皮切りに、昔から人に「文章うまいね」と言われていたことを思い出し、文章力が強みだということに気付いたわけです。
それに、振り返れば金融業界での年月が長かったということにも気づきました。そして自ずと、お金に関する知識を蓄積していたんです。
繰り返しになりますが、自分のことって、本当に、自分じゃわからないものですね。
強みの種を探す方法 その2
人に聞いてみる
さて、自分の過去と向き合う方法と平行してやっていただきたいのが、人に聞いてみることです。
自分の強み、魅力、良いところって、実は自分以外の人の方がよく知っています。客観的な意見の方が正しいことは往々にしてありますよね。
なので、思いきって人に聞いてみましょう!
「今自分の強みを探してるんだけど、私の強みや魅力ってどういうところだと思う?」と、周りの人に聞きまくる!!
もちろん、ご自身のターゲット層の方の意見は貴重です。
けれども、ターゲット層ではない人や、まだあなたのことをあまり知らない人の意見も、新鮮でおもしろいと思います。
ちょっと照れくさくて恥ずかしい質問かもしれませんが、「いろんな方の意見を集めてるんです。協力してください。」と言えば、きっと“いいとこ探し”をしてくれます。
何を隠そう私も、自分では気付いていなかった魅力を友人に教えてもらいました。
「毒づいたら、めっちゃおもしろい。いい人ぶってちゃつまらない。」と言われまして、ハッとしたのを覚えています。
その後試しに、個人コンサルや講座の中で、ちょっと毒舌のエッセンスを入れて話してみるとみなさんおもしろがって笑ってくださるし、私も自分らしくいられて楽しくなりました。
人の意見は正しいですね。
ぜひいろんな人に「私の強みって何だと思いますか?」と尋ねて、ヒントを集めてくださいね。
強みには2種類ある!?
「強み」と一言で言っても、実は2種類あるということをご存じでしょうか。
「先天的な強み」と「後天的な強み」です。
先天的な強みの特徴
・がんばらなくてもできる
・自分では普通にやってるだけなのに、よく人から褒められる
・無意識でできるので「うまくできた!」と感じない
簡単に言うなれば、才能、持って生まれた能力でしょうか。
例えば、運動神経が良い人は、特訓しなくても、走っても速いし、サッカーも上手だし、水泳も上手だったりしますよね。本人にとっては、たぶん普通にやってるんですよね。でも、運動神経の悪い私は、ボールを蹴っても思った方向に飛ばないし、真剣に泳いでも「溺れてるように見える」と言われます。
自分では頑張ってるつもりはないし、普通にやってるだけなのに、人より上手にできちゃうこと。これが先天的な強みです。
あなたにとってはあまりに無意識なので記憶の彼方かもしれませんが、あなたの当たり前は、他の人から見ればスゴイと感じるポイントです。
「別に…普通だし…」という先入観を捨てて、書き出してみてください。
後天的な強みの特徴
・勉強して身につけた専門知識
・鍛錬して身につけた技術
・努力して手に入れた結果
・頑張って継続し、蓄積してきた成果
つまり、努力の末に手に入れた武器です。
具体的には、資格、職歴、その経験で身につけた知識や技術や実績ですね。
多くの方が、後天的な強みを必死で探します。そして、「あぁ~(ため息)私には大した経歴がないわ~」と肩を落とすのです。
だけど、OL時代がたとえしんどい記憶しかなかったとしても、必ず知識や経験が血肉となっています。高いレベルの成果でなくてもいいんです。
がんばってきたこと、努力したこと、踏ん張ったこと、チャレンジしたこと、思いつくままに書き出してみてください。
強みを創り出せ!
まあまあ×まあまあ=かなりの強み
「すんごい実績とか、成果とか、経歴なんてありません」
「人に誇れるようなレベルじゃないし…」
強みを探す時に、女性起業家さんの多くが悩むポイントです。
その気持ち、とてもよくわかります。
そんな時は、ぜひ、2つ以上の要素を掛け算してみてください。
ここで言う要素とは、職歴、知識、経験、技術、感性、がんばらなくてもできることなど、これまで思いつくままに書き出した、強みの種のことです。
ひとつひとつの要素のレベルは大したことなくても、組み合わせると唯一無二の人間になれるかもしれません。
Aという技術は持っているけど、もっと上手な人はたくさんいる。
Bという経験はしてきたけど、もっと長く経験している人はたくさんいる。
Cという専門知識は勉強してきたけど、もっと頭がよくてスゴイ人たちはたくさんいる。
Dという才能があるっぽいけど、天才というレベルには程遠い。
「わたしって、Aでも、Bでも、Cでも、Dでも勝てないー どうすればいいのーーー」というパターン。
でも安心してください。
Aという技術を持ち、かつ、Cという専門知識をもっている人は、かなり少ない。
Bという経験を持ち、かつ、Dという才能がある人は、かなり少ない。
Aという技術を持ち、かつ、Bを経験し、かつ、Dの才能を持っている人は、かなり少ない。
このように、ひとつひとつの要素は“まあまあ”でも、組み合わせると他の人にはない強みにすることができるんです。
自分には自慢できるような強みがないと諦めずに、いろんな組み合わせであなただけにしかない強みを作ってみる工夫をしてみてください。
(もちろん、要素の見極めは大事です。ちゃんと3C分析して、ビジネスとして成り立つように組み合わせる必要があります。)
強み発掘で書き出す作業にオススメなアイテム
私の完全なる主観ですが(笑)、強みの種を書き出す時におすすめなのが、白紙とフェルトペン。
思いついたら即殴り書き!誰に見せるわけでもありません。きれいに書く必要はないのです。
罫線があるノートや方眼紙を使ってもいいのですが、罫線などのガイドラインがあると人間は、その秩序に沿おうという理性が無意識に働くもの。すると、思いついたことを書くことより、きれいに書こうということに意識が傾いてしまうと思うのです。(特に、真面目な方は)
実際私も、罫線があるより真っ白な白紙の方がアイデア出しがはかどります。
そして、殴り書きですからペン先が硬いペンやシャーペンだと手が疲れちゃう。なので、フェルトペンなどの先が少し柔らかくて力を入れなくてもどんどん書けるペンが書きやすくて便利です。
中には、青いペンの方がアイデアが出やすいという方もいますね。
とにかく、頭を柔らかくして、自由に、思いつくまま、理性よりも感性を優先させて書くことがスムーズにできるアイテムを使うことをオススメします。
さいごに
自分の強みについて考えるとき、「私なんか」と思ってはいけませんね。
「私なんか」はセルフイメージを下げるNGワード。日本人特有の“謙遜の美学”も不要です。
長年染みついた思考のクセを直すのは、かなりしんどいことです。私の場合、強引に「私はすばらしい!」「私は才能の塊!」「すごい経験してきてるじゃん!」って無理矢理言い聞かせていました。(笑)
そして、人から褒めていただいた時は、「いやいや、たいしたことじゃないです」と反射的に謙遜しそうになるのをグっと堪えて、「ありがとうございます。そう言っていただけると励みになります!」と、ありがた~く受け入れるようにしています。
たとえそれがお世辞でも…(笑)←イタイ人だと思われているかもしれませんが…。
だって、人が褒めてくれるポイントは、ひょっとしたら自分の強みかもしれませんもの!
謙遜してスル―せず、ぜひ心にとめておいてくださいね。
強みは、ひとつやふたつではありません。
自分の強みに気付いたら、次のステップに進みやすくなります。そして、ワクワクしてきます。
もしあなたが、強みがわからなくて迷走しているなら、今回ご紹介したやり方をぜひ試してみてください。ヒントが見つかるかもしれませんよ!